工業に行け!(工業高校や高専、ポリテクカレッジが就職最強という話)

ものづくり・生産技術

ドラゴン〇の桜〇先生っぽくならない、、(笑)

2024年の大学進学率は過去最高の59.1%。高校を卒業するとほぼ6割が大学に行く時代となりました。しかしその「大学」とはどういう学校なのでしょう?何を勉強する?将来役に立つのでしょうか?

その「大学」の大半は私立校で、その中で実際に就職で人気となる(売り手市場となる)大学は学部にもよるがほんの一握りなのです。じつに6割がいわゆる「Fラン大」。そして学費は上がる一方で、かなりの割合の学生が奨学金という名の借金を借りながら何とか卒業してもたいした企業に就職もできず、低収入で返済に苦しみながら、貯蓄もできずいっぱいいっぱいで暮らしていくのです。

じゃあ日本中でどんな産業が就労人口が多く、競争力があるのかを考えてみましょう。

日本で世界3位以内のシェアを持つ企業(生成AIの回答)
 → トヨタ自動車ソニー任天堂パナソニックホンダキヤノンNEC三菱電機富士通、、
名だたる企業が並んでいると思いますが、一つ気づきませんか?

製造業、いわゆるメーカーばかりなのです。ちなみにソニーは最近コンテンツやゲームソフトが大きいですけど、実はiphoneなどのカメラデバイスが圧倒的地位にいたりします。

しかも実のところ、こういった完成品メーカーよりも部品メーカーはもっと強いのです。
例えば村田製作所。積層セラミックコンデンサでは世界シェアトップです。電子情報分野で見てみると村田製作所をはじめ日系の企業は電子部品でシェア33%(JEITA 電子部品部会報より)。
ほかにも様々な部品・素材でトップシェアをもつ企業がわんさかいるのです。偏光フィルム、工作機械、各種製造装置、クラッチなどの自動車部品、一時期韓国への輸出管理強化で話題となったレジストインキ、、

JILPT(労働政策研究・研修機構)のまとめを見てみます。

小売り関係を抑えてやはり製造業がトップですね。1000万人を超えて就業者の16%にもなります。

高等学校の学科別生徒数と構成比率(令和5年5月時点)

(このデータは全日制・定時制の高等学校のみを対象としています)
圧倒的に普通科なんです。工業は実に10分の一。ミスマッチが非常に大きい。

製造業の就業者は1,000万人。うち半数くらいが現場で動くスタッフとして、工業高校の卒業生は毎年生徒数の3分の1とすれば、6.7万人程度。普通科からポリテクに行ったり、高専などから製造業に入ってくる方も入れてもせいぜい7万人程度でしょう。そしてこれから団塊ジュニアがどんどん現場から抜けていく。

どうですかこのギャップ!

そもそも製造業の現場なんて底辺だとか、単純作業なんてとか言ってるそこのアナタ。

日本の製造現場スタッフの仕事は「単純作業」じゃなくて「技術スタッフ」なのです。

彼らは現場業務をこなしながら、パートタイマーの指導や設備の点検維持、メンテナンス、作業改善や品質改善などにあたっています。彼ら抜きでは日本のハイレベルで世界トップクラスのものづくり現場は維持運営できないのです。

そして待遇もそれに見合ったものになっているのです。

もちろんポリテクや高専の卒業生はサクッと進路が決まりますし、名だたる一流メーカーの可能性が高いです。そして工業高校も上位成績の推薦となると、親御さんも驚くようなビッグネームの企業が進路として並びます。またいわゆるビッグネームでなくてもニッチな競争力を持つメーカー、世界中に羽を広げて活躍するメーカーもたくさんあります。

もちろん高校で3年間遊んでいるようではだめですし、礼儀やコミュニケーションなど基礎はしっかり高校生活で身に着けるべきです(それは大学生でも同じ)。上位大学で工学部や理学部、そのなかで就職争いを勝ち抜いていくことを考えると。。

ここからは努力次第ですが、高校3年間しっかり頑張ってメーカーに入ったとします。そこから現場でマシニングセンタや旋盤などの技能や加工技術、製造設備などのPM(プラントメンテナンス)技術、現場の改善や仲間・他部門を巻き込んでのムードアップ、QCなどの品質技術を磨いて「技術スタッフ」として多くの仲間たちがどんどんキャリアップしています。

イメージ:まあ帽子はかぶれよな(笑)

また近年ではローコード・ノーコードの技術やAIの発展で、プログラミングを専門的に勉強していなくてもSW技術者が驚くようなアプリや分析ツールを作り、使いこなす「技術スタッフ」がメーカーの社内にはゴロゴロいるのです。専門的な勉強なんてしていません。会社に入ってから自主的に勉強して身に着けていきます。

そうして最終的には一流大学を出たはずの諸先輩を追い越していく方がたくさんいます。コレはマジです。もちろんキャリアアップに伴って収入も。。そんなチャンスは普通に大学に行ってなんとなく就職してもまず来ない。「工業」でこの「製造業大国」日本なら下剋上のチャンスがあるのです。

巷ではyoutuberやtiktoker、インフルエンサーがあこがれの職業の上位に上がるようになって久しいですが、彼らはマジ天才です。まず努力が凄い。ヒカキンなんてyoutube初期から1日何本もメガカウントを生む動画を延々上げ続けています。その先見性と努力たるや。。。普通の人にはできません。

(youtuberのイメージ 笑)

で、結局起業でもしなきゃ普通の人は企業に就職するわけですが、マスコミに流されてなにも考えずに大学行って就職活動して、それでも一部の上位層は良いけど(と言っても彼らはそういった分析もしっかりしているし、努力が結局すごい)競争力のある企業は狭き門、、

国に文句を言うブツブツ金なし老人になっていく人生は非常にもったいないですよね。

家庭の事情がとかお金がとか自分の頭ではとかあきらめる前に、自分の立場でできることを本当に最大限やったのか自問自答してほしい。

日本の産業構造、どの企業がどんな分野で競争力があって事業動向・財務状況がどうなのか、今後人が足りなそうな分野はどこか、じゃあ自分はその分野で頑張ろうって進路を決めるはずなんですよね本来。その中で確実にミスマッチがある分野が製造業であり、現場の「技術スタッフ」なんです。

さあ、「工業へ行け!」

※大学進学を否定するものではありませんし、当たり前ですが判断はご自身でお願いします。




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